アステラス製薬 15th DISC 選考記録(2022卒 博士選考 研究職)
本記事では、アステラス製薬の博士選考についてまとめていきます!
アステラス製薬は、言わずと知れたグローバル製薬企業で、近年は『Focus Areaアプローチ』という独自のアプローチによる創薬研究を進めています。
例年、アステラス製薬の採用活動では、Drug discovery Innovator Selection Camp (DISC) という合宿形式での採用活動実施されてきましたが、22卒の採用では、コロナ禍の影響もあって合宿形式での採用は断念。
その代わり、書類選考とWebでの1次面接およびDiscussionを実施し、合格者のみがつくば研究所にて実施される最終選考プログラムに参加することができました。
また22卒のDISCは、専攻分野によって15th DISC (分子薬理学・薬理学分野)、16th DISC (有機化学分野)、17th DISC (分子生物学・生物工学等分野)、18th DISC (再生医療分野)と分かれて募集がありました。これは、おそらくコロナ対策のためと思われます。
私自身は15th DISCに参加しましたので、15th DISC選考の流れについてご紹介したいと思います。分野によって選考日程に多少の違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。
是非、皆さんの就職活動の参考にしてください!
プレエントリー開始
プレエントリー開始日:2020年8月7日
大手製薬企業で唯一、8月からプレエントリーを開始したのがアステラス製薬。
博士選考の早期化が年々進んでいるとは言え、ここまで早くなるとは予想していませんでした。
私自身も準備が遅れてしまい、後述する書類提出は2次締め切りでの提出となってしまいました。
皆さんも8月には各社の採用HPをチェックして、選考に乗り遅れることが無いよう注意しましょう。
会社説明会
2020年9月27日 アカリク主催の『博士対象キャリアイベント vol.1』(Web開催)に、アステラス製薬も参加しており会社説明を聞くことができました。
私が知る限り、これ以外でアステラス製薬の会社説明を聞くことができる機会は無かったです。
皆さんもアカリクに登録しておくことをお勧めします。
ES内容とES提出締め切り
本エントリーには、
・エントリーシート
・研究概要(A4 2枚)
の提出が求められます。研究概要はA4で2枚ということで一般的な量となっていますが、ESは以下のとおりかなりボリュームが多いので要注意です。
ES内容は以下のとおりです。
- 現在の研究テーマについてご記入ください。(300文字以内)
- 自分の専門領域における知識及び手技手法を表すKey Wordについてご記入ください。(3つ)
- 通常使用する実験機器についてご記入ください
- あなたはご自身の強みを生かして、どのように創薬研究に携わっていきたいですか?(以下の2つから1つ選択)
- 独自の感性と高い科学的専門性や技術を駆使し,創薬課題解決や推進に必須のデータやツールと高い質で生み出す。 最先端の科学を深く追求し,薬理学等に関する専門的技術や知識を基盤に,作用機序の検証から非臨床POC取得などを実施する。
- 多様な視点やサイエンス(技術・知識)を繋ぎ合わせ,新たな創薬価値の提案やその実現に向けたプロジェクト推進の一翼を担う。 複数の異なる専門性(技術・知識)を繋ぎ合わせ,薬理学的な観点を中心に価値ある製品コンセプト(例えば薬理プロフィール)の構築や製品候補品の各種評価(薬効薬理評価・標的妥当性評価等)を通してプロジェクト推進の一翼を担う。
- 上記を選択した理由を教えてください。(文字数指定なし)
- ヘルスケア業界が変化し続ける中、医薬品業界が果たす役割についてあなたはどう考えますか?(200文字以内)
- これまでの研究活動の中で得た財産を教えてください。(200文字以内)
- あなたが創薬研究という舞台で「挑戦したいこと」「成し遂げたいこと」は何ですか?(400文字以内)
- 新しいことを始める時にあなたが大切にしていること、重視していることは何ですか?(300文字以内)
ご覧になってお分かりいただける通り、設問の数が多くかなりヘビーな内容となっています。
私自身、アステラス製薬のESが一番時間がかかったように思います。
エントリーシートの提出締め切りは以下のとおりです。
1次締め切り:2020年8月31日
2次締め切り:2020年9月30日
最終締め切り:2020年10月9日
私は準備を開始するのが遅れてしまったため、1次締め切りで提出することはできませんでした。
結局、2次締め切りで提出しましたが、書類選考は突破することができました。
Webテスト受験
ESと研究概要の提出後、適性検査を受検するよう案内が来ます。
アステラス製薬では、①Webテスト(SPI)と②アドバンテッジインサイト社の性格検査の受検が必須となります。
Webテストに関しては一般的なSPIなので、専用の問題集をひと通り解く程度の対策で問題ないかと思います。
アドバンテッジインサイト社の性格検査は、主にストレス耐性にフォーカスした性格検査だそうです。
ただ、自分は特別何か対策をしたわけではなく、素直に回答することを心がけました。
1次選考(1次面接&Discussion)
2020年10月29日~11月5日:1次面接&Discusion @オンライン(skipe for business使用)
10月19日に書類選考の通過連絡および1次選考の案内が来ました。
1次選考では、いわゆる研究プレゼンと研究に関する質疑応答+人事質問をおこなう『1次面接』と、現場研究員と自分以外の候補者を交えてお互いの研究発表について議論する『Discussion』という2本立てで実施されました。所要時間も約2時間と他の企業と比べても、非常に長い時間をかけて研究に関する能力をじっくり見られます。
1次面接の概要
・学生1名 vs 研究所のグループ長クラス1名+人事1名
・面接時間は50分間
・冒頭に10分以内で研究プレゼン(スライド枚数6枚以内、事前に資料を提出する)
・残りの時間で質疑応答
・最後に逆質問
印象としては、ESをかなり読み込んで下さっていて、学生をしっかり見ようとする意志を感じました。また、チームとして働けるかという点をかなり重視している印象を受けました。
Discussionの概要
・学生2名 + 研究員4名(所長1名、グループ長1名、研究員2名)
・面接時間は60分間
・前半の30分間で、片方の学生が研究プレゼン(10分以内)→ もう一方の学生から発表内容について質問 → 研究員の方から質問 → 最後にもう一度学生から質問
・後半の30分間は発表者を交代して同じ流れで研究プレゼンと質疑応答をおこなう
こういった形式の面接は初めてで、かつ学生がもう一人いるということを事前に知らされていなかったので、かなり動揺しました。
プレゼン能力および質問に対して的確に答えることができているかは勿論のこと、初見の研究発表に対しても突っ込んだ質問ができるかどうかを見られているように感じました。
11月6日に電話にて通過連絡を頂きました。その際、1次選考のフィードバックを頂きました。
また、アステラス製薬の研究員に対してどういう印象を持ったのか、他社の選考状況について聞かれました。
最終選考プログラム
2020年11月12日 or 13日 最終選考プログラム@アステラス製薬つくば研究センター
・参加者は8名(日程が2日間あるので最終選考に残ったのは全部で16名と思われる)
・遠方の方は前日宿泊可(ホテルの手配と宿泊料は会社が負担)
・交通費は往復1万円を超過した分を会社が負担
・服装は自由(リクルートスーツ以外)
・時間は8:30~18:00
・主な内容はグループワーク、研究所見学、個人面談
詳細は割愛しますが、一日をかけて私たちのことを理解してもらい、そして私たちはアステラス製薬をことを理解することができました。
研究所は非常に綺麗で、社員の方々は皆優しく、選考を通してアステラス製薬のことが好きになりました。
選考に関しては付け焼き刃でどうにかなるものでもないので、ありのままの自分を表現するのが良いかと思います。
誰しもが参加できるものではないですが、非常に有意義な時間を過ごすことができました。是非皆さんもチャレンジしてみてください。
まとめ
アステラス製薬の15th DISC選考についてまとめました。
ES、1次選考、最終選考とかなりハードな選考ではありますが、選考の過程で学ぶことも多く自分自身成長できたなと実感することができました。
この記事が皆様の就職活動のお役に立てれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!